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新春のたべもの・寿桃 [年中行事]

This is 寿桃(Suutou). This sweet is known as “Momo-man” in Japan.
寿桃 is a Chinese sweet that mimics the peach.
I want to eat 寿桃 on New Year's Day. Because, 寿桃 is a symbol of longevity and good luck.
Commonly, peach exorcises the evil spirit and mean longevity in China and Japan.

momoman2.jpg

春が近づくと、中国のこの饅頭が気になり始めます。
「春が近づくと」と書くと、この寒い時期、違和感を覚えるかもしれませんが、現在は、12月中旬です。
そして、1月といえば、まだまだ寒いですが、新年は「新春」ともいい、1月から3月は「春」です。
現在は、新暦ですから、違和感を覚えるのも仕方ありません。
旧暦で考えると、2013年1月1日は、2013年2月10日です。
花の中でも、真っ先に咲く水仙は、12月下旬から3月までが開花時期であり、春の花として定着しているの開花時期は、1月下旬から2月ですので、まさに、旧暦の1月1日は、花がほころびはじめる「春」なのです。
そして、旧暦の3月は、新暦の4月から5月中旬ですので、まさに「新緑」の時期。
「春」ですね。

「寿桃」は、「スートー」もしくは「スートゥ」と読み、長寿を願う中国の伝統菓子です。日本では「桃まんじゅう」「桃まん」ともよばれ、現在では中華街などで購入することができます。
桃の果実は、日本古代史に登場します。
2003年に国の史跡・名勝に指定された、日本初の本格的な宮廷庭園址とされる「飛鳥京跡苑池」では、7世紀後半の遺跡です。池の周囲には桃や梅、柿などが植えられていました。
また、2005年、奈良の平城京跡では、奈良時代の桃の種が76個出土しました。
卑弥呼が神に献上したのも、桃だと推測されたりしています。
桃は、古代日本においては薬効があり、邪を祓う果物として、珍重されました。
イザナギが黄泉の国から逃げるときに、桃の実を投げて災いからのがれたエピソードや、鬼退治をする「桃太郎」の話は、邪(魔)を祓うという桃の効果を説話化したものです。
これは、中国の影響を指摘することができるでしょう。

桃の果実は、長寿を象徴しています。
「神異経」に

東方に樹高五十丈の大木あり、名付けてという。その果実は径三尺二寸。その核と共に羹として食せば人は長寿を得る


とあります。
また、桃と正月の関係は、中国の『荊楚歳時記』からもうかがえます。

長幼悉く衣冠を正し、以次拝賀し、椒柏酒を進め、桃湯を飲み、屠蘇酒・膠牙【食+易】を進め、五辛盤を下し


元旦には、衣冠を正して拝賀し、「椒柏酒」すなわち山淑と柏葉をひたした香りの強い酒をすすめ、「桃の湯」を飲み、「屠蘇酒」と「膠牙飴」すなわち固飴を進めて、「五辛盤」すなわちネギやニンニクなどの辛味の若菜を食べる行事を行うと、鬼人などを退けることができるとあります。
これは、「屠蘇」の説明でも紹介しました。

また、桃の木は魔よけの効果があるといわれているため、「桃符」という、年越しのときは対聯を桃の木の板に彫ったものを飾ります。
仙人のすむ地を「桃源郷」といいますが、桃はそこになる仙果とされ、西王母(古代中国の女神)は、漢の武帝に、3000年に一度実がなるという不老不死の仙桃を授けたともいわれます。
つまり、桃とは、長寿と関連づけられて登場することが多い果実であり、そのため桃の果実を「寿桃」ともよび、桃をかたどった饅頭を「寿桃」とよぶようにもなりました。
「寿桃」は、誕生日にケーキを食べる習慣と同じように、長寿を祝う際に供されます。

正月になると、この「寿桃」が気になるのは、屠蘇が長寿を祝い邪を祓うことと同じ原理からです。
現在は、おせち料理も洋風・中華風など、いろいろあります。
日本式のお正月の他に、このような演出もよいのではないでしょうか。

このほんのりピンク色の、春らしい装い。
新春を祝うのにふさわしい饅頭ではないでしょうか。


日本で似たようなものといえば、新春の生菓子「はなびら餅」です。
新春をいろどる美しいたべものです。




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タグ:新春 桃
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