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子どものまつり・地蔵盆 [年中行事]

地蔵盆といえば、夏休み最後のイベントです。

線香を片手に、子供だけで町内の地蔵を回り、線香をお供えしてはお菓子をもらう。
大きくなり、自転車に乗れるようになると、隣の地区まで出張するツワモノもいたけれど、家に持って帰って、みんなで分け合った・・・これぞ、夏の思い出。(遠い目)

地蔵菩薩.jpg

地蔵盆は、地蔵菩薩の縁日である8月24日の前日にあたる宵縁日を中心とした3日間のまつり。
昔は地蔵祭とか地蔵会(じぞうえ)などと呼ばれましたが、8月24日が裏盆にあたることから、盂蘭盆になぞらえて地蔵盆と呼ばれるようになりました。

地蔵菩薩は、釈迦の入滅後、未来仏の弥勒菩薩が出現するまでの間、現世に仏が不在となってしまうため、その間、六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)を輪廻する衆生を救う菩薩とされています。

日本では、平安時代以降に阿弥陀信仰と結びつき、地蔵信仰が民間に広がり、道祖神と同じように村を守る役割も果たすようになります。そして、地獄の鬼から子供を救うとして子供の守護神ともなっています。

そこから全国に地蔵菩薩が広がり、関東では、江戸時代になって地蔵が作られるようになり、地蔵信仰も広まりました。
が、江戸では稲荷信仰が盛んだったため、あまり根付かず、一方、室町時代に地蔵盆が盛んだった京都を中心に、大阪や滋賀などの関西では、年中行事としてしっかりと根付き、今では、北陸地方や新潟、長野などで盛んに行われていますが、おおむね近畿地方を中心とした行事です。

地蔵菩薩は子供の守護神であり、地蔵盆では子供が地蔵の前に詣り、その加護(無病息災)を祈る、仏教行事でもあるので、地域によっては、子供に向かって僧による読経や法話も行われたり、地蔵盆当日の朝に「数珠回し」が行なわれるところもあります。

地蔵盆では、地蔵のある町内では地蔵を洗い清めて新しい前垂れを着せたり、化粧や飾り付けをし、地蔵の前に屋台を組んで花や灯籠を立てたりお供え物をしたりします。
そのお供え物は、線香などのお供えの代わりに子供に配布されるもので、子供の目当ては、これ、ですよね。
(線香を供える、というのも地域によって違います)

神戸では、お供えを配ることを、「お接待」といいます。

「お接待」といって、すぐさま思い浮かぶのは、四国巡礼のお遍路への「お接待」。

「お接待」には2つの意味があり、

(1)修行に取り組む人に対しての「援助」、「施し」。
(2)「自分の代わりにお参りしてほしい」という意味での賽銭の寄託。

などです。
(1)の「施し」も「喜捨」という信仰心ですし、(2)の賽銭の寄託とは、気持ち的には重なり合っています。
四国では、このお大師様(弘法大師空海)に対する信仰心である「お接待」は、お遍路に限らず今も見られます。
私も体験しました。そのときの印象は、(2)ですね。
自分の代わりに、お参りに連れて行ってほしいというもので、託された方としても、気の引き締まる思いでした。


と、少し脱線しましたが。
地蔵盆で、子供が地蔵をひとつひとつ訪ねる行為は、単にお供え(お菓子)のお下がりの確保などではけっしてなく、無病息災を祈るお参りだということが、ここでよくわかります。


しかし、子供のまつりであるだけに、地蔵盆はいろいろな問題もかかえています。
つまり、子供が少ないと、成り立たないわけです。
(おとなだけで行なっている地域もありますが)

京都では、一時期、地蔵盆が衰退した時期がありましたが、開発に伴い人口が増加。子供の数も増えて、近くの地区から地蔵を借りて地蔵盆を行なっていたところもありました。
が、その子供も大きくなれば・・・。

多かれ少なかれ、同じような問題をかかえているところは多いと思います。


また、コミュニティーの問題もあります。

新しい住民が入ってきても、地域の活動に協力的な人ばかりではありません。
特に、家族に子供がいなければ、地蔵盆に参加することも少ないでしょう。特に近年の深刻な少子化問題で、参加人数は減少しています。それでも、地蔵盆の設備などを管理しなければなりませんし、管理にはある程度のスペースも必要。
となると、管理・維持をする人が限られて、特定の人への負担が大きくなるわけです。

なんだか、ここまでくると、地蔵盆消滅の危機ですね。


地蔵盆って、けっこうコミュニティーの活性に良いと思うんですが。
経験上、地域への愛着とか、地域の人とも仲良くなれるきっかけがあるので。


こういう風習は、残していきたいものです。




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タグ:地蔵盆
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